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案の定、月曜日は朝から雨が降っていた。
「……うそぉ~」
夕方、会社を出た私は、がくりと項垂れた。朝は小粒だったはずの雨が、いつの間にかアメ玉のような大粒の雪に変わっていて、おまけに辺り一面、まるで雪国のような銀世界。
電車は大丈夫だろうかと懸念しつつ駅まで早足で歩いて行き、そこで心配が的中したことを知る。
ですよね……と私は改札の前でごった返す人の群れにげんなりしながら、独りごちた。
迎えの電話をかける人、タクシーを待つ人、運行中止でーす、と駅員が声を張り上げて止めているにも関わらず、改札を抜けようとする強者もいる。
どうしよう、と私は、雪の降りしきる中、考える。このまま電車が動くのを待つか、タクシーで帰るか、拓馬のところに行くか……。
拓馬の部屋はそこから比較的近かったが、いつものように合鍵で勝手に入るのも、今日ばかりはためらわれた。
もし今から行って拓馬が帰ってきても、うまく話せる自信がないし、昨日みたいに、必要以上に嫌な言葉を浴びせてしまうかもしれない。
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