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きっと拓馬は、私の嫌な部分をほとんど知らないだろう。
それは私がそういうことを言わなかったからだ。不満を言うことはあっても、今みたいな、醜い感情を表に出したことは、一度もなかった。
心の裏にあるものは、そのまましまっておけばいいと思っていた。
でも、一緒に暮らしたら?
この先何十年も一緒にいたら?
きっとそんな部分も、知られてしまう。
もう私たちは友達じゃない。
恋人でもない。
もうすぐ家族になる。
でも、家族って?
どこからどこを見せればいいの?
醜い部分も嫌な部分も全部さらけ出して、それで嫌われてしまうのが、一番怖かった。
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