3.

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三○二号室。拓馬の部屋だ。電気はついていない。 やっぱり飲み会だろうか。立っているのは辛いので、ドアの前に座り込む。 「ふう……」 白い息が漏れ、寒いな、と思う。 もう少し待ってみよう。すでに日付は変わっていた。 何も考えずにここまで来てしまったけれど、もし拓馬が帰ってこなかったら、どうすればいいんだろう……。 会いたい、と思った。今、ものすごく、拓馬に会いたい。 前に会ってから五日しか経っていないのに、随分長いあいだ会っていないような気がした。 その間、拓馬は何を考えていたのだろう。 私のように、ずっと先の、あるいは近い未来を想像して、不安になったりしたのだろうか。 それとも、忙しくてそんなこと考える暇もなかった? 私はーー、 じわりと涙が滲む。 私は、何てことを考えていたんだろう。 「……何してんの?」 エレベーターの方から声が聞こえたのは、そんな時だった。 「拓馬……」 顔を上げると、少し赤らんだ顔の拓馬が、ふらつきながら近づいてきた。 待ってたの、と答えようとして、やめた。本当に、何をしていたんだろう、私は。
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