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それから一年半後、
私たちは結婚の約束をした。
友達から恋人になって、
恋人から婚約者になって、
婚約者から家族になって……
なんだか山を登っているみたい、と私は思った。
途中、いくつかの旗が何かのしるしのように立っていて、ふたりは手を取り合ってゴールを目指す。
でも私たちが目指すゴールって、いったいどこなんだろう?
結婚すること?
それとも、子どもを産むこと?
先を見ようとすると道がぼんやりと白く霞んでしまって、わからなくなる。
一歩ふみ出すごとに漠然とした不安を残していく。
ずっと先の、でも意外とすぐ近くにあるかもしれない未来ーー拓馬の瞳に、ふたりで歩む未来は、どんなふうに映っているんだろう。
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