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ナオさんのきれいな目が上目遣いで私をちらりと映す。
…メガネかけてないナオさんにとっては、私の顔はぼやけてるんだろうけどなぁ。
と、思っていたら。
「何?見すぎなんだけど…」
どうやら私の視線の強さは見えていたらしい。
いえ、何でも…と目をそらしながら。
「ナオさん、コンタクトにしましょうよ」
小声で勧めてみる。
だって。
だって、ナオさんめったにいないぐらいの美形なのに。
メガネかけて普通の小ざっぱりしたお兄さんでいるなんてもったいないよ。
だけどナオさんは軽く首を振った。
「んー。俺、すっぴんあんまり見せたくないんだよね。
ここで俺のすっぴん見た子、りっちゃんぐらいだと思う」
すっぴんって…。
男の人があまり自分自身に対して使わない言葉に少し笑った私だけど、自分の笑った声よりも心臓のばくばくする音が大きいんじゃないかと心配になった。
ナオさんがメガネ外したとこ。
見たの、私ぐらいなんだ…。
ナオさんのすっぴん、特別なんだ。
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