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幸枝の中に、また妙な感覚が渦巻き始める。
しかし、メッセを開いてしまったため、〈既読〉の文字が真利子の書き込みの横に記されてしまった。
これでは無視もできない。
幸枝は仕方なくメッセに返信をする。
〈気にしないで。あたしも聞こうと思ってた。お茶OK! いつする?〉
するとすぐに〈既読〉され、返信がある。
〈今日忙しい?〉
今日?
今日お茶するつもり?
めんどくさいんだけど……
なんて書けるはずもなく、幸枝は〈いいよ~。どこで待ち合わせにする?〉と打った。
真利子から〈可愛いカフェがあるの。今から来れる?〉と返事が来て、幸枝はすぐに家を出た。
なぜ真利子からの誘いに乗ったのかは幸枝自身も分からなかった。
自分は真利子が嫌だったはずだ。
嫌いなわけでも、苦手というわけでもなく、嫌だったのだ。
中学時代も、そして再会した時も、そのなんとも曖昧な感情が、真利子に対してあった。
ずっと真利子は自分よりも下の存在、とどこかで思っているからかもしれない。
それでも、なぜか行かなければならないような気がしたのだった。
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