SS2【微笑む女】

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 幸枝の中に、また妙な感覚が渦巻き始める。  しかし、メッセを開いてしまったため、〈既読〉の文字が真利子の書き込みの横に記されてしまった。  これでは無視もできない。  幸枝は仕方なくメッセに返信をする。 〈気にしないで。あたしも聞こうと思ってた。お茶OK! いつする?〉  するとすぐに〈既読〉され、返信がある。 〈今日忙しい?〉  今日?  今日お茶するつもり?  めんどくさいんだけど……  なんて書けるはずもなく、幸枝は〈いいよ~。どこで待ち合わせにする?〉と打った。  真利子から〈可愛いカフェがあるの。今から来れる?〉と返事が来て、幸枝はすぐに家を出た。  なぜ真利子からの誘いに乗ったのかは幸枝自身も分からなかった。  自分は真利子が嫌だったはずだ。  嫌いなわけでも、苦手というわけでもなく、嫌だったのだ。  中学時代も、そして再会した時も、そのなんとも曖昧な感情が、真利子に対してあった。  ずっと真利子は自分よりも下の存在、とどこかで思っているからかもしれない。  それでも、なぜか行かなければならないような気がしたのだった。
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