第2章
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「…アイツか」 怒気を含んでそう言うと、春兄は俺を睨んだ。 「おい、冬樹。父さんのことをあいつ呼ばわりするのは、いくらなんでも良くない」 「でも、いつも殴られるのは春兄だ。俺なら良いんだよ。アイツが俺を殴るんなら構わねぇけど、春兄ばかり殴るから、俺はアイツが大嫌いだ」 春兄は真っ直ぐな目と声で「なら僕だってそうだよ」と言った。
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