第1章
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春兄は桜の花弁の様に頬を染め、俺から目を反らして自分の右耳たぶを左手で触る。 これは春兄が嘘を吐こうとしたり、何かを隠そうとする時の仕草というか、癖だ。 俯く春兄の健康そうな肌色の首筋に、色素の薄い茶髪がかかり、艶やかに見える。 「い、いいから兄ちゃんに教えろって」 温かな笑顔が俺に向けられる。
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