11月_

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「雨と色、海と空」-28 雨が降っている ザーザーと、たまにポツポツと 雨、と一つに括られるのに、そう指されるそれは数えることができない その一粒一粒に大きな意味がないからなのか、 または別の理由からなのか その一粒に込められたものが、他の人には判らないからなのか…… 降った雨が地にあたると、地に色を足していってくれる それがどんな色をしていて、どんな色を残していくのかはわからない だけど確かに残していく 誰かにとっては赤い色、別の人にとってはまた違う色 色は確実に地を覆い、もしかすれば地を見えなくしてしまう 覆い尽くされたその地を、誰かは領地と呼ぶのだろうか? 真っ平らに見えるそれは、丸くなっているとは気づきにくいのだろう 雨だったそれらは地を伝い、やがて海へとかえっていく そうやって海を豊かにしていく そうやって海を豊かにしてきた 豊かになった海からまた雲が生みだされる そしてまた雨になり、地を覆い、伝い、海にかえる それは、誰もが知っていて、誰も知っているはずのない巡り合わせ この世界はとても複雑で、それでいてシンプルなものだと思う 例える題材は何処にでもあるのに、誰もが共感するわけではない もしかすれば、何処にでもあるからこそ、一貫して共有できないのかもしれない ここもそうであるように 自分の知る地を中心に巡るのは、とても当たり前のことなんだと そう改まる雨が、私の地に降りそそぐ
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