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「行くんだね?」
「ああ。お前らの世界行ってみよう。確実に助けられるかはわからんが。」
今までティーポットを携えて控えていたルシフェルが動き出す
「では、始めましょうか。転生の儀式を。」
「ルシフェル頼むよ?」
「では、桜井様は部屋の中央へ」
一言返事をし部屋の中央付近のライト下に立つ
「で、どうすりゃいい?」
「ではまずこれを。」
そう言ってルシフェルは手を差し出してきた。
「それは?」
ルシフェルの手に乗っていたのは小さなナイフ。
刃には幾何学的な模様が文字通り動き、うねっている。そして柄は白い木材でき《暦》と柄尻に掘られているためなんともチグハグな印象を受けるが
「何だよコレ…」
見ているだけで言い様の無い感覚に襲われる。
不快感にも似た拒絶。
人が持ってはいけない物だと本能が叫ぶ
「これは…そうですね。
世界の欠片の一つですね。
基準点と言ってもいいかもしれません」
「いやぁ、そんことを言っても分からないと思うけどね?」
「ああ、さっぱりだ。」
「じゃあ、全く別の例えをしようかな?
君は地球がどうなっているのか知ってるかな?」
「はぁ?そりゃぁ海、空、大地があって…」
「そう、その大地だね?君の世界は確か道路というものがあるよね?」
「あるけどよ…」
「その下はどうかな?」
「そりゃ土があるだろうが。」
するとキリギリスは首を横に振ってこう答えた。
「それだけじゃないだろう?トンネルがあって下水が流れてたり水道管用のパイプ。
その他も含んで土がある。」
「いや、俺のでも当たってんじゃん…」
「まぁ、そうだね?じゃあその下は?その下の下はどうなっているのかな?」
「それは…」
「意地悪な質問だったね?地殻、マントル、外核、内核とまぁこんなところかな?
でも地殻、ようは地面は良いとしてその下は見たことあるかな?」
「ねーだろ普通」
「じゃあもし外核内核の所が違う物に変わって、それに気づかず生活していたとしたら?」
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