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天使が何も無かったはずの手のひらに、青く透明な三角錐の形で作られた結晶のようなもの出現させる
「《トランス!!(転移)》」
体が淡く青白い光に包まれたその瞬間その場から居なくなった
そして体を包む青白い光が消え目を開けたそこはごく普通の部屋のような場所だった
桐也はすぐに状況把握に務める。
部屋は十畳から十二畳くらいの広さで、三人掛けのソファーが長方形の木製テーブルを挟むように二つ置いてある。
光源は部屋の中心部の上空に光の玉が浮かんでおりライトの代わりになっているようだった。
しかしーーー
「こりゃ…すげぇな…。」
そう、画面が浮き上がっていた。
巨大で透明なガラスにテレビの映像を写すとこんな感じだろう。
最も使われている文字や図式は全く別物の理解出来ない物ではあったが
「お?来たみたいだね?」
そこで画面の所にいる男に気付く。
それに気を取られていたせいで分からなかったがそこでなんらかの作業をしていたらしい。
「只今戻りました、我が主。」
「え、君はずっとその状態だったのかい?」
「ええ、そうですが…何か?」
「君がその状態でいるなんて珍しいからね?いつも面倒だと言ってたからね?」
「仕事ですので公私混同はよろしくないかと。」
なにやらよく分からない会話が始まってしまったので手持ちぶさになってしまった桐也は改めて今いる二人の容姿を観察する
ここまで案内してくれた天使は長身長髪で透き通るような黄金色をおり、顔はかなり良い方だろう。今まで堅い表情しか見せていないが、笑ったら優しそうだと感じる。
体型は痩せてはいるが筋肉質という感じはあまりしない。
天使という割には頭に輪っかも、背中に羽も無い。偏見かも知れないが。
次にここでに居た男だ。
小柄で少し猫背で身長はあまり無い。
天使の胸付近に頭頂部があるので小さい方だろう。
髪色は茶髪で前髪が目の上まで来ており、ずっとヘラヘラ笑っているのと語尾が疑問形なのでとても胡散臭い。
「いやいや、何時もの君に慣れた僕らにとっては少し気持ち悪いんだよ?…おっと、折角来て頂いたのにほったらかしにしてしまったね?」
どうやら視線をずっと向けられてた為気付いたようだ。
「いや、気にしてない。それよりあんたは誰なんだ?」
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