前途多難な初仕事

15/22
前へ
/550ページ
次へ
*前途多難な初仕事・4* 「ブッ!!!!」 Hiding place。 俺の話を聞いていた三國さんは、盛大に吹き出して、お腹を抱えて大笑いし出した。 「成瀬が…あの成瀬が、連奏…!うわ、駄目!お腹捩れる!!」 ヒーヒーと、テーブルにうつ伏せになりながら大笑いする三國さんを、ジロリと横目で睨む。 「……笑い事じゃないですよ。本当に大変なんですから」 「いやあ、だって、もうギャグでしょ。成瀬が連奏って…ブブッ…!ウケる…!ウケるよ、奏ちゃん!」 笑い続ける三國さんを無視して、ジンジャエールを飲む。 別に、三國さんを笑わせる為に頑張ってる訳じゃない。 くっそー…。 「で?相手は?」 「………もう三國さんには、何も話しません」 「えー?なんでー?教えてよ、奏くーん」 猫撫で声の三國さんに、ユサユサと肩を揺さ振られる。 「人の苦労を、笑いのネタ程度にしか思ってない人に、話す事なんて何もありません」 「え?もしかして、俺が知ってる奴?そうなの?」 …………この人、変に鋭いから嫌だ。 「うわ、誰!?あの成瀬と連奏なんかする奴、俺の知り合いにいるの?」
/550ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3859人が本棚に入れています
本棚に追加