無自覚な罪作り

6/57
前へ
/550ページ
次へ
メールや、たまには電話でやり取りもしてるけど、それだけじゃ全然足りない。 月山薫不足だ。 聞けば苛つく、あの毒舌が恋しくなる。 呼ばれればムカつく、『サル』の呼び声が聞きたくて堪らない。 何より、傍であいつを感じたい。 なのに、メールの文章や、電話越しの奴の声は、至って普通…。 寂しいの、さの字も無い。 俺だけが、こんなに寂しいのか? 会いたいって…こんなにも恋い焦がれてるのって、俺だけ? ………いや、そんな状況にしたの、俺なんだけどさ。 「会いたいな……」 ポツリと呟けば、余計に寂しくなる。 曲が出来上がりまでの我慢だ。 それまで頑張れば、なんとかなる。 そう思えば思う程、作曲する事に没頭する時間が増えて、寝不足な日々が続いた。
/550ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3859人が本棚に入れています
本棚に追加