無自覚な罪作り

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「はい!」 慌てて俺も立ち上がり、二人して、北川さんが待っているであろうスタジオまで急いだ。 リハーサル終了後。 成瀬さんに呼び止められた俺は、近くの有名なケーキ屋さんまで連れて行かれた。 そして、どういう訳か、沢山のケーキを渡され、困惑顔で成瀬さんを見ると……。 『甘いものが好きだろう?しっかり食べて、早く元気になれ』 なんて言われた……。 どうやら、喫茶店の一件以来、俺の事を、『甘いものに目がない奴』と勝手に認識しているようだ……。 いや、甘いものは好きだけど、そこまで好きっていう訳じゃない。 それに、まともに食事してないからって、こんな大量なケーキ……。 栄養、偏り過ぎ。 食べりゃいいってもんでもないだろうに…。 いや、気持ちは有難い。 有難いし、嬉しいんだけど…。 やっぱり、成瀬さんって天然なんだな……。
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