無自覚な罪作り

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*無自覚な罪作り・4* 「で?なんだよ、このケーキの山は…」 ソファーテーブルの上、いっぱいに乗せたケーキを眺めつつ、甘いものがあまり得意じゃない月山薫は、少しゲンナリした声で言った。 リハーサル終了後、大量のケーキを抱え、月山薫のマンションまで来ていた。 こんな大量のケーキ、どう考えても一人で食べ切れる自信がなくて、月山薫が甘いものが苦手だという事は知っていたけど、せめて一個だけでも食べてもらおうと思い付いた。 ………なんて…そんなのは、ただの口実で……。 本当は、ただ会いたかった。 だって、もう二週間も会ってない。 ケーキをダシにして突然会いに来た俺を、月山薫は驚きながらも快く受け入れてくれた。 ………このケーキの山を見るまでは。 「……成瀬さんに貰ったんだ……顔色悪いから、食べろって」 「だからって、何でケーキなんだよ。しかも、こんな大量に……」 テーブルの上には、様々な種類のケーキが二十個ほど並んでいる。 大人買いもいいところだ。 「嫌がらせか?お前、あいつに嫌われてんのか?」 まあ、嫌がらせに見えるよな、これは…。
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