無自覚な罪作り

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慌てて二人の間に入ると、北川さんの手が止まった。 「北川さん。成瀬さん、制作側の仕事とか初めてで、まだ手探り状態なんだと思うんです。なので、不備もあるでしょうし、スムーズに事が運びにくいんだと思います」 「……」 「……」 俺の言葉に、二人は互いをチラリと見る。 「なので、なるべく三人でフォローし合いましょう。その方が、お互いにやりやすいと思いませんか?」 頼むから、コミュニケーションを取り合って欲しい。 色んな意味で纏める俺の身にもなってくれ……。 「成る程、君の意見にも一理あるな」 「……まあ、そういう事なら」 やっと気付いてくれた成瀬さんに、一先ず納得してくれた北川さん。 なんとか、この場が纏まってくれたようで、ホッと胸を撫で下ろす。 それでも……。 この先が思いやられるのは、俺だけなのかな……?
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