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「見つかって、良かったですね。諦めなくてよかったでしょ?」
「……あぁ」
ゆっくりと、花びらが開いていくように、成瀬さんは綺麗な微笑みを浮かべた。
「本当に…良かった……君の言う通りだった」
「ほら、見付けて、ビシッとカッコ良く決まっ…うわっ!!?」
調子に乗りながら、一歩、成瀬さんの方へと踏み出した時、川底の石に足を取られて、バランスを大きく崩した。
そして、もう………後は想像通り、無様に転んだ…。
「…………」
「…………」
うわー………カッコわるー…。
両手、両膝を着いた体勢のまま、自分のカッコ悪さに固まる。
「…………ふっ…!」
え?
目の前の出来事に、目を見張る。
成瀬さんが……。
あの冷静沈着な成瀬さんが、お腹を抱えて大笑いしてる…。
ていうか、大爆笑だ。
あまりにも楽しそうに、おかしそうに笑うもんだから…。
「……ははっ」
なんだか面白くなってきて、釣られるように、俺も大爆笑し出した。
「……俺…だっさ!」
「カッコ良く……あれで…!」
「めっちゃくちゃカッコ悪いし、俺…!」
「俺も、それは…同感だ…!」
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