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それでも……。
「君を好きでいる事は、許してもらえないだろうか」
その後に感じる罪悪感…。
「………それは、困ります」
想いを寄せられても、それに応える事が出来ないからだ。
片思いの辛さは、よく知ってる。
だから、『お断り』するのは、とても申し訳なく思うし、辛くもある。
けど、応える事が出来ない限り、他にどうしようもない。
自分の気持ちにも、相手の気持ちにも誠実であるべきだし、同情なんかはもっての外だ。
自分も、相手も傷付けるだけで、何も良い事なんてない。
「けど、想いは自由…だろ？」
柔らかく微笑みながらも、一歩も引く気がない成瀬さんに、二の句が継げない。
成瀬さんの言う事は、正当だからだ。
何を、どう思うのかは、個人の自由。
「でも、その……」
何か言わないと、と頭の中で考えてはみるものの、何て言えばいいのか思い付かない。
「ん？」
一方、成瀬さんは余裕の笑みで、あたふたする俺を見つめている。
「こ、困ります」
結局、それしか言えずに、俯いてしまう。
俺、ほんと経験なさすぎ……。
もっと、いい言葉とか、躱し方とかあるだろうに。
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