恋人としての日常

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*恋人としての日常・1* ピアノ協奏曲 第二番 ハ短調 作品十八。 セルゲイ・ラフマニノフ作曲。 協奏曲作家としての名声を打ち立てたラフマニノフの出世作だ。 あらゆる時代を通じて常に最も人気のあるピアノ協奏曲のひとつであり、ロシアのロマン派音楽を代表する曲の一つに数えられている。 ピアノの難曲として知られ、きわめて高度な演奏技巧が要求される。 まずは、第一楽章冒頭の和音の連打から苦戦する。 この和音で、ピアニストは一度に十度の間隔に手を広げることが要求されるからだ。 つまり、手の大きさが必要なんだ。 まあ、手が小さくても、和音塊をアルペジオにして弾くことも出来るんだけど。 この曲は、三楽章で構成されている。 第三楽章。 最後のピアノのカデンツァの後にハ長調で全合奏で二つの主題が融合されて盛り上がるシーンは圧巻だ。 ピアノとオーケストラの一体感。 その圧倒的なスケールのまま、高みに一気に登り詰めた旋律が鳴り終わると、割れんばかりの拍手の嵐、そしてスタンディングオベーション。 そして、俺の好きな曲の一つだったりする。 『ウィーンでの公演を、大成功に収めた、成瀬蒼(なるせ あおい)さん!来週、凱旋帰国されます!』
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