冷徹貴公子は嫌な奴

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「……その粗野な態度は、相変わらずのようだな」 冷たい声で言う男の人の嫌味に、月山薫は、ハッと短く笑った。 「お前も、相変わらず嫌な性格だな」 …………え? 何? この一触即発的な雰囲気。 ていうか、月山薫、この人とどんな関係なんだ? 「あれー?何で、成瀬がこんな所にいるの?世界的ピアニスト様には、こんな所は敷居が低すぎて、しょうに合わないでしょ」 睨み合う二人の間に入ったのは、かなり月山薫よりの三國さんだった。 「……三國」 三國さんをチラリと見た成瀬さんは、心底、嫌そうに顔を顰めた。 三國さんとも知り合いって事は、大学時代の級友かな? この前は、そんな事、一言も言わなかったけど。 …………ていうか、友達って雰囲気じゃないけど。 寧ろ、天敵って感じが近いような気がする…。 「お客様?何か注文なさいますか?」 そんな雰囲気を宥めるようにして声を掛けた村沢さんに、成瀬さんは馬鹿にするように鼻で笑った。 「この程度のピアニストを置いているような店に、用はない。失礼させてもらう」 なっ…!!!! 「ちょっと待てよ!!」
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