絡まる感情

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自分の未熟さと情けなさに、自己嫌悪に陥る。 大切なリハーサルを、俺の不甲斐なさで潰してしまった事に、申し訳なさすぎて、何も言えないし、顔も上げられない。 本当、俺……何やってんだろ。 荷物を纏め終えたらしい成瀬さんが、ブースを出て行くのが気配で分かる。 最悪じゃん……俺、ほんっと馬鹿だ。 もう残っているのは俺一人になり、帰る前にブース内を片付けようとした時だった。 「………何かあったのか?」 出て行ったと思っていた成瀬さんが、まだブース内に残っていた。 驚きながら振り返ると、そんな俺を、成瀬さんは少し心配そうな表情で見ている。 「あ………いえ、何も」 駄目だ。 この人には、頼っちゃ駄目だ。 好意を持ってくれているからこそ……その想いに応えられないなら、頼ったりなんかするべきじゃない。 「そんな風には見えなかったが?何かあったんじゃないのか?」 そう言いながら、成瀬さんはゆっくりとした足取りで近付いて来る。 「いえ、本当に何も…」 「例えば…」 目の前まで来た成瀬さんが、俯く俺の前に立つ。 「月山と」 成瀬さんの口から、『月山』の名前が出て、思わず肩が揺れた。
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