3860人が本棚に入れています
本棚に追加
*絡まる感情・7*
夜中の一時頃。
自分の気持ちをスッキリさせたくて、人が疎らになっていく街中を歩いてここまで来た。
悲しさ、苦しさ、悔しさ、憤り、切なさ、不安、恐怖、愛しさ、そんな感情が自分の中でグチャグチャに絡まっていて、誰かに話を聞いてもらいたかった。
成瀬さんに背中を押してもらって、自分から動き出そうと思ったけど、自分の心の中が纏まってなくて、何をどう思って、動けばいいのかが、今一つ自分の中で見えていない。
こんな状態のまま月山薫に会っても、きっと何も変わらない。
月山薫を怒らせて、いつもの言い合いになって、喧嘩別れするのがオチだ。
それは、嫌だ。
ちゃんと、しっかり向き合いたい。
これが、ただの喧嘩じゃない事は、俺がいくら恋愛経験が足りなくても、馬鹿でも分かる。
だから、乗り越えたい。
ちゃんと乗り越えて、月山薫と一緒にいられる未来を作りたい。
だから、まずは自分の気持ちを整理したかった。
沢山考えたし、悩んだりしたけど、一人じゃ限界がある。
だから、誰かと話したいと思った。
こういう時の相談相手。
一人しか、俺の頭には浮かんでこなかった。
最初のコメントを投稿しよう!