恋人としての日常

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この、口が超絶悪いくせに、見た目だけは良いダメ人間は、月山薫。 ………俺の…恋人…だったりする…。 「別にいいだろ。俺がなに見ようと、あんたには関係ないじゃん」 そう言いながら、ソファーテーブルの上のリモコンに手を伸ばすと、その手を月山薫に掴まれた。 そして、そのままソファーへと押し倒される。 「バーカ。俺の前で、違う奴なんか見てんじゃねえよ、この馬鹿ザル」 のし掛かられるようにして、上から顔を間近で覗き込まれる。 その、言葉とは裏腹に甘い月山薫の囁き声に、自然と身体中が熱くなった。 「な、なんだよ、それ。俺、別に、そういう意味で見てた訳じゃ…」 「ったりめぇだ、阿呆。そんな目で見てやがったら、殺すぞ。覚えとけ、馬鹿ザル」 そう言うなり、俺の唇を塞いだ。 絡め取るようなキスに、いつも俺は翻弄される。 経験の差…とでもいうんだろうか…。 とにかく、そんなモノを突き付けられるんだ。 「……っ、月山…!」 その癖……。 「こういう時に、それはねぇだろうがよ。薫って呼べねぇのか、お前は」 甘く囁きながらも、月山薫は、すんなり俺を解放する。
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