冷徹貴公子は嫌な奴

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って、食べられるか!! どんな甘党な人間だ! 一人で、これを食べろと? もはや、拷問だろ。 「………成瀬さんは、食べないんですか?」 出来れば、一皿くらいは食べて欲しい。 これ全部なんて、絶対に無理だ。 「俺は、甘い物は好きじゃない」 バッサリ切り捨てられて、一気に窮地に立たされる。 何が悲しくて、こんな甘い物ばかりでテーブルを埋め尽くしてるんだろう……。 しかも、俺の前だけ…。 「い…いただきます」 よく、昔から言い聞かされた、母さんの教訓。 『出された物は、全部食べろ』 それが、まさかこんな形で自分を追い込むなんて…。 取り敢えず、フォークを手に取り、手前にあったチョコケーキから口に運んでみた。 「…………」 お……美味しい!!!! あまりの美味しさに、顔が緩む。 そんな俺を見て、成瀬さんは満足そうに笑って頷いた。 「美味いか?」 尋ねられて、何度も頷く。 「こんなに美味しいケーキ、初めて食べました!!」 思わず力説すると、成瀬さんはコーヒーカップを手に持ちながら苦笑する。 「大袈裟だな。どんな食生活を送っているんだ、君は」
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