恋人としての日常

5/6
前へ
/550ページ
次へ
煽るだけ煽っておいて、何の未練もなさそうな様子で、スッと俺から離れる。 いつも、こうだ。 だから……キスまでしかしてない…。 いや、どうしても先に進みたいとか…そういう事じゃないんだけど……。 月山薫は、どう思ってるんだろう。 俺が子供だから? それとも……男だから…? そりゃ、女性とばかり付き合ってた奴だし、今更、男の、しかもガキを、どうこうしたいなんて思ってないのかもしれない。 それに、俺に至っては、これが初めての『お付き合い』だし。 両思いになった時は、傍にいられるだけで幸せって思えたのに。 いや、それは、今でも変わらないんだけどさ。 なんていうか……『欲』っていうのかな。 『もっと』って思ってしまう。 どんどん欲しくなる気持ちに、時々、自分でも持て余して戸惑いを感じる事がある。 自分が、こんなにも強欲だなんて、知らなかった。 もっと、傍にいたい。 もっと、会いたい。 もっと、触れたい……。 …………俺……欲求不満なのかな……? それとも、実は、すっごいスケベだったとか? なんだか恥ずかしくて、人知れず頭を抱える。
/550ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3859人が本棚に入れています
本棚に追加