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「ってぇーー!!!!」
「救いようのねえ、クソガキだな、てめえは。飲めもしねえのに、何やってやがる!!」
あまりの痛みに、涙目で頭を押さえながら、キッと月山薫を睨み上げた。
くっそーー!!!!
本当は、颯爽と飲んで、ビシッと決めるつもりだったのに…!
「俺だってな、もう二十歳なんだ!いちいち口出しされるようなガキじゃねーんだよ!自分がどうするかくらい、自分で決められる!ガキ扱いすんな!くそジジイ!」
怒りに任せて突っ走る。
本当、俺の悪い癖だと思う。
それでも、ムカつくものはムカつくし、俺にだって言い分はあるし、ミジンコ並でもプライドだってある。
そんな俺の啖呵は、月山薫の糸をプッツンと切るには十分だった。
「……あぁ、そうかよ。じゃあ、勝手にやりゃいいじゃねえか。俺は忠告したからな。後で泣きを見たって知らねえからな!!」
言うなり月山薫は、懐から取り出した財布から一万円札を取り出すと、それをカウンターテーブルに叩きつけた。
そして、そのまま踵を返して店を出て行こうとする。
「月山!」
「るっせえ!止めんな!」
呼び止めた村沢さんを、月山薫は振り返る事なく進んで行く。
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