冷徹貴公子の依頼

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不思議に思いながら月山薫を見るけど、奴は一人納得したように、さっぱりしたような表情で、自分の分のカップを持って、珈琲のおかわりに席を立ってしまった。 ……けど、まあ、喧嘩しないで済んで、本当に良かった。 胸のつかえが取れたように、心が晴れていくのが分かる。 やっぱり、好きな奴とは……恋人と喧嘩なんてしたくない。 安堵して、緊張が解れた身体を、ソファーの背凭れに預けて、そのまま息を吐きながら身を沈めた。
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