前途多難な初仕事

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*前途多難な初仕事・1* 今回の仕事の内容。 演奏会の監修を務める事。 その演奏会は、身体的障害のある人が生活を送っている施設、『日向の里(ひなたのさと)』の中にある講堂で行われる。 公にしない為、『成瀬蒼』の名前は一切使わない。 勿論、宣伝もしない。 そして、今回の演奏会は、ピアニスト二人で演奏する。 そう。 ピアノ二重奏だ。 あまり名の知れていない、それでも技術のあるピアニストが、今回はとても重要だった。 成瀬さんの名前を表に出さない為に、そのピアニストの名前を使うからだ。 勿論、成瀬さんとデュオをするだけの技術力も必要になる。 成瀬さんがHiding placeに来た理由も、ピアニスト捜しだった。 まあ、その時の相手は月山薫だった訳で、成瀬さんの中で、即座に切り捨てられた訳だけど……。 その難航していたピアニスト捜しも、いい人が見付かったらしい。 後は、演奏会に向けて、ひたすらリハーサルを重ねていけばいいだけ……なんて、軽く思っていた俺が甘かった……。
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