1.セピア色(浩介side)

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―中学1年 秋―  その日俺は、何でもない廊下の何でもない場所で何の前触れもなくコケる女を見た。 「ぁ……」  そいつは小さな悲鳴をあげながら、膝からカクンと崩れるように倒れた。  手に持っていたプリントや本が散らばり、廊下一面に散らばる中、 「……イタイ」 と呟くように言って、そいつは直撃だったであろう右膝に手を当てた。
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