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私の苦しそうな声を聞いて少しだけ緩めてくれた腕の力。
「ふぅ...」と息をはいた。
それでも離してはくれないみたい。
私の後頭部に顔をぐりぐり埋めてくる。
濡れた髪が首にかかってこそばゆいし、何より冷たかった。
「忍さん、髪乾かさないと...風邪ひいちゃいますよ?」
「もう少しこのまま...」
「でも...」
「いいから」
私の胸元で交差されている腕にそっと手を添える。
少し首をずらして後ろを見ると、同じ目線まで顔を下げていた忍さんと目が合った。
「.........」
「ふっ......」
まだふてくされ気味な顔をする私に、緩む頬を抑えられないのか笑い出した忍さん。
どうしてそんなにご機嫌でいられるの?
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