sweet.3

20/27
前へ
/476ページ
次へ
私の苦しそうな声を聞いて少しだけ緩めてくれた腕の力。 「ふぅ...」と息をはいた。 それでも離してはくれないみたい。 私の後頭部に顔をぐりぐり埋めてくる。 濡れた髪が首にかかってこそばゆいし、何より冷たかった。 「忍さん、髪乾かさないと...風邪ひいちゃいますよ?」 「もう少しこのまま...」 「でも...」 「いいから」 私の胸元で交差されている腕にそっと手を添える。 少し首をずらして後ろを見ると、同じ目線まで顔を下げていた忍さんと目が合った。 「.........」 「ふっ......」 まだふてくされ気味な顔をする私に、緩む頬を抑えられないのか笑い出した忍さん。 どうしてそんなにご機嫌でいられるの?
/476ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3669人が本棚に入れています
本棚に追加