sweet.3

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相当いい思い出じゃなかったのか、それ以上忍さんの口から話すことは何もなかった。 ただ、言ってもらえて嬉しかったのは 「とにかく早く家に帰りたかった」 と言ってくれたのは本当に嬉しかったけど。 忍さんの素直な表情で伝わってきた。 あぁ、そういう場所は苦手なんだなって。 でも、そうかもしれない。 真面目で真っ直ぐな人だ、忍さんは。 初めて私が彼の家に泊まった時でも、何もしてこなかった人だし... 「疲れました。今日は...」 「ふふ...」 笑う私の肩にコツンと額をつける。 お風呂上りで濡れた髪の毛が私の頬にあたり、冷たかった。 「忍さん、髪乾かさなきゃ。 ちょっと待ってて下さい」 彼の肩を掴んで離した後、私はドライヤーを取りに洗面所へと向かった。
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