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忍さんの濡れたままの髪の毛を乾かす為に駆け足で寝室まで戻ると、一つ深呼吸をしてゆっくりとドアを開けた。
「ありがとう」
ドライヤーを持って現れた私の姿を確認すると、ベッドの端に座っていた忍さんは少し眠そうな顔をしながら私にお礼を言ってくれた。
「乾かしてあげますね?」
「うん」
...「うん」だって。
お酒が入って眠たくなると、子どもみたいに変わるんだ。
私の母性本能が大爆発しそうなくらい膨れ上がった。
忍さんの後ろに回り、ベッドに膝立ちになってドライヤーのスイッチを入れて彼の髪を乾かした。
ドライヤーの暖かな風が漆黒の彼の柔らかな髪をなびかせて、私は手でゆっくりと梳いていく。
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