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「............」
無言になってしまった。
口の動きは止まっても、手の動きは止まっていないけれど。
「例えば、何、ですか?」
「ここ、いい?」
「もっ...!!」
ズルイ、ズルイ。
もうすでに私の身体を知り尽くしてる忍さんは、指でわざといつもより早く感じるところを攻め立ててくるみたい。
わかる...誤魔化そうとしてる。この人。
「忍さん...ずーるーいー...」
恨みをこめてたっぷりと。
状況に似つかわしくない、低い声で言ってやった。
いつも私が感じているか確認するために上にある表情は、申し訳なさそうに微笑んでいた。
「すみません」
謝るなら教えてくれたっていいのに...
もうそんな反抗が出来る余裕は残っていないけれど。
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