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胸から離された指先はそのままお腹を辿り、腰を掴んだ。
そして私に跨ってくる忍さん。
いつまでたってもこの瞬間は照れる。
心臓はでんでん太鼓が高速で振り回されているみたいにずっとうるさい。
「凜にはね。これ以上失望されたくないので、あまり言いたくないな」
「そんなこと、天と地がひっくり返ってもあり得ませんから」
「わからないよ。今日の事で多少なりとも失望したでしょ?」
その答えには返答に困る。
密かに唸っていると、私の両頬の隣に肘をつかれて隙間が無いくらい密着されてしまった。
「ふっ...正直者だね。わかりやすい」
「...子どもっぽいでしょ?
私こそこの歳で最近、迷子になんかなっちゃったし...」
「ほっとけなくて可愛いよ?」
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