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「そうだねー。もう少しかな?」
窓の外ばかりを見ていた私は「ママ」と呼んでくれた女の子の方に振り向き、ニッコリと笑いかける。
「楽しみ!ねぇ、ママ!デコレーション私がしてもいい??
プレートに<パパ、大好き!>って書きたい!」
頬をピンク色に染め上げて、彼が聞いたらきっと最大限まで目尻が下がるような言葉を小さな口で言うこの女の子に、私は小さな笑いが止まらなかった。
「んー。でも、それはパパのお誕生日まで置いておいたら?
ほら、パパは1月が誕生日だし。
その時に書いてあげたらどう?」
「そっかぁ...じゃ、そうしよっかな!
あっ!ママ!オーブンが鳴ってるよ?
出来たかな?」
「そうね...あれ?
でも、出来上がりの音、こんなうるさい音だっけ?」
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