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瞑っていた目をパチリと開けると、彼は首を傾けていて、少し目にかかっている前髪がさらりと横に揺れた。
その間から私を慈しむように見つめてくれる、優しくて穏やかな瞳。
少し疲労がみえる所が艶っぽく思えてしまった。
………いけない、いけない。
忍さんは仕事で疲れているというのに、邪な事を考えてしまった。
こういう時こそ、奥さんの私が癒してあげなければ。
「忍さん、お疲れですよね?
先にご飯ですか?お風呂にします?」
それとも私…なんてベタな事は言わないけれど。
「そうですね…」
腕を組んで忍さんは少し考える素振りを見せると、私の両肩に手を乗せた。
「もう少しだけ癒されたいかな?」
と言って、私をぎゅうっと抱きしめた。
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