第一章

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─────────── そうだ、それで俺は寝てしまって………? 寝た、本当に…? それではこの状態になってる今がわからない。 どう考えたって事後だろう、あれは。 あー、ダメだわかんねぇ。 あれから何があったってんだよ。 なんかクスリでも盛られたかぁ? そうして尭無にメリットはあんのか? あぁ、頭痛くなってきた……。 頭痛を自覚すると自分の身体の状態を認識した。 下着すらつけてないこの状況で一人考え込んでるとか変態過ぎる。 視線を巡らすも俺の着てたスーツは見つからない。 仕方なくシーツを腰に巻き立ち上がった。 が………。 立ち上がった瞬間、キーと高い音が耳元で鳴り、少し痛む程度だった頭痛がガンガンと猛威を振るった。 目の前はチカチカと緑色に染まり、体を支えきれなくなる。 倒れ込むようにベッドに横になり、腕で瞼を塞ぐ。 立ちくらみはよくあるけどここまで酷いのは初めてだ。 うーとかあーとか意味のない呻き声を漏らしながら波が去るのを待つ。 一体どれ程そうしていただろうか、ガチャリ、というノブを回す音が聞こえてはっとした。 「先生…? 大丈夫ですか?」
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