第一章

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腕を退けて見れば、尭無がホントに心配しているような顔で覗いてきてた。 バスタオルだけを体に巻いており、長い髪から垂れた水が肩の上を滑りタオルに吸われていく。 「あ、あぁ。」 慌ててポーカーフェイスを取り繕うが、きっと意味はないだろう。 「ごめんなs………。」 謝りかけて静かに首を振る彼女。 一泊おいてから再び口を開いた。 「先生、今日の学校いかがしますか?」 学校………? ッヤベ。 「あたりめーだろ、行く。」 「なら、シャワー浴びてきてください。 時間はまだ大丈夫なはずなんで。」 確かに感じる空気は早朝のものだ。 時間は大丈夫だろう。 「あぁ。」 一言返事をして、そろりと立ち上がる。 大丈夫、立ち眩みはしない。 一度目を瞑って大きく息を吐く。 「お風呂場は出て右、突き当たりのドアです。」 出て右、突き当たり。 頭のなかで反証してから目を明け、なにも言わずにシャワーを浴びに行く。 ちょっと頭を冷やそう………。
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