第一章

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熱いお湯を頭からかぶり、息を吐く。 問題は何故こうなったか、だ。 だが、それ以上に尭無がこれを誰かに話したら………。 フッ、と口角が上がる。 生徒に手ぇ出しといて結局は保身かよ。 なんだかなぁ。 尭無がなに考えてんのかわかんねぇのが怖いわ。 ざっと流して身体のベタつきを無くしたらすぐに上がる。 下手にシャンプーなんて使えば匂いでバレる可能性が出てくる。 何より、尭無とちゃんと話がしたい。 脱衣所にはバスタオルと下着、ワイシャツ、スラックスがおいてあった。 もちろん昨日と同じものだったが、どうやら洗濯されているようできちんと畳んで置いてあった。 そんな時間が一体どこにあったのか疑問に思うが、ありがたい。 それらを身に付けると、バスタオルで濡れた髪をガシガシと拭きながら尭無がいるであろうリビングへと向かった。 「あら先生、早かったですね。」 リビングの扉を開けるなり言われた。 すごく上機嫌なのが目に見てわかる。 そんなに長く入ってないぞ、いったいなにがあった。 「適当にかけててください。」
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