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閉じた瞼の裏から光が透け入ってくる。
朝、か・・・。
まだ眠いけれども今日も学校あるし。
むくり、と起き上がれば肩の上をシーツがサラリと落ちた。
予想外のくすぐったさに身を揺すると、ふと私の隣で眠る男が目に入った。
シーツから少し出ている黒髪が少し動いく。
「うん?」
少し唸って、その目を覗かせたるも、眩しそうに目を細め焦点はあってない。
しばらく私を見ていた彼は、ランプテーブルの上に置いてある眼鏡を手に取り掛けた。
再び私に目を向ける彼。
私はにっこり笑って朝の挨拶をする。
「おはようございます、先生。」
「たか、なし?」
寝起きの少し掠れた声。
低いその声で名前を呼ばれて、なんだか少しくすぐったい。
彼はまるで理解できないとでも言うようにかぶりを振った。
ちらり、と壁の時計を見て時間を確認。
先生が学校に着かなきゃいけないのは8時。
此所から学校まで先生は車で30分。
私と先生がシャワーを浴びて1時間ちょっと。
現在時刻は4時30分。
うん、まだ平気ね。
「もう少し寝ててくださいね、シャワー浴びてきます。」
やがて理解し、見開かれていく目には気づかないフリ。
「尭無、おいっ。」
私を呼ぶ声も、聞こえないフリ。
先生、かわいい。
大丈夫、私が上がる頃にはことの経緯は思い出してるはずよ。
一糸纏わぬ素肌を、暖かくなり始めたこの季節の早朝の空気が撫でた。
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