第一章

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俺の呼び掛けには答えることなく尭無は部屋を出ていってしまった。 まだ、理解できない。 頭ん中がぐちゃぐちゃだ。 一体全体なんだってんだよ。 昨日何があったのか思い出すべく、記憶を侍らした。 ──────── 仕事が終わり、車を走らす。 すでに11時は回っており、早く帰りたかった。 深夜といえど駅前は込み合っていて、たった数mでさえもイライラしてしまう。 無意識にハンドルを指でたたく。 ラジオの流れている車内にトントンという音が響いた。 前の車のナンバープレートを睨むのを止め、駅前のロータリーに目線を映す。 目に入った、うちの学校の制服。 プリーツスカートをいくつも折っているのか、学校で見るよりも明らかに短いスカート。 そこから除く太ももにくぎづけになってるオッサンが何人かいるのがわかる。 「何やってんだ?」 つい声が漏れる。 援交か? 学校の最寄り駅でやるなんてバカなのか? 「チッ。」 つい舌打ちをしてしまった。 見たからには放っておけねえじゃねえかよ。 少し動いた車を端に寄せウィンカーをつける。 カチッ、カチッという小気味の良い音がしたのを確認してから、車を降りる。
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