第一章

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部屋の中に明かりなどついてはいない。 「ご両親は?」 「え? いませんよ?」 こいつ何言ってんのみたいな声で返された、むかつく。 「私は今伯母の支援で生活しています。 両親が死んだんで引っ越してきたんですよ?」 さ、上がってください、と俺を急かす高梨。 「いや、俺は此所で帰るよ。」 あからさまにムッとした顔を見せる尭無。 一体なんだってんだよ。 「じゃあ、私に勉強を教えてください。」 じゃあってなんだよ、じゃあって。 あからさまな棒読みは止めろ。 「さ、上がってください。 いい加減ドア押さえるの疲れました。」 半分以上、いやもうむしろ完璧に睨んできてて眼光がヤバイ。 有無を言わさないってまさにこういうことを言うんだろうなー。 あー、もうわかったよ。 「わかった、わかった お邪魔すればいいんだろう。」 「最初っからそう言ってくれればいいのに。 どうぞ。」 とってもいい笑顔で玄関の道を開ける。
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