第1章

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「電話があったんです。さっき…ミヤガワさんから… 危ないと…どこです。 麻美は今。どこに? いや、それよりすぐに支度をしてください。 行きますから!」 ジュリアさんも慌てた顔をしてすぐにロッカールームに向かう。 ほんの数分。 その間に。 「産まれるらしいんです。 ちょっと留守を頼めますか? どうも、危ないというのですぐに向かいたいんです。 ディスティニーの方にも行けそうにない。 今は…麻美の方を…」 笹本に話しているのだが、 詳しい話をしていないから訳が分からないだろう。 そんなことも解らずに… 「麻美さんって…マリアちゃんのことですね? 産まれるって…赤ん坊…ですか?」 すごく驚いてた。 俺より取り乱してるように見える。 「落ち着いてください。 落ち着いて… こっちは大丈夫です。 うちの方はマネージャーに言っておけば大丈夫なので、ディスティニーの方は私が様子を見に行きます。 店の方は私に任せて… 早く… えーっと… 準備とか何が必要なんですかね…」 笹本も慌ててる。 こういうとき、 男って… 「大丈夫。お母さん麻美ちゃんのこと、お願いね? 急いで帰るから…」 そう電話で話しながら私服に着替えたジュリアさんが入ってきて。
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