29人が本棚に入れています
本棚に追加
オレ、高ノ瀬ケイ。
某県にある私立学園の2年生だ。
ここの学園から見える景色は、都会の灰色ってより、緑色の方がちょっと多いかな。
どの県にもある中堅都市レベルの田舎だ。
オレの身長は177センチ。
体重79キロ。
顔だちは、色々な他校の女子から告白された事あるから…。
まぁ悪い方では無いハズだ。
で、あの日の出来事の話し…。
クラスメイトに放課後屋上に来るように、呼び出された。
ダルいし面倒くさかったけど…。
「ケイ…悪いんだけど…。
放課後になったらココの校舎の屋上に来て欲しい。
お願いだから…ホント…お願いだから。」
そう、今にも死にそうな深刻な顔で頼まれたら、行かざるおえなかった。
呼び出したヤツは中西マサキ。
マサキは…。
あいつはいわゆるアニメや漫画のオタクだ…。
体つきはオレより一回りほど小柄で、顔もジャニーズJrに居そうな童顔…。
女子から見ると、守ってあげたくなるタイプって言ってたのを、数人から聞いた事あるから…。
メガネをコンタクトに変えて…。
身だしなみと言動さえちゃんとすれば、モテるんだろうけど…。
当人はその事に気づいていないだろう。
小学校の頃は、わりかしよく遊んでた。
中学に入ってからは、お互い新しく出来た友達もいたから、だんだん疎遠になって…。
高校になってからは、同じクラスだけど、めったに遊ばなくなった…。
まあ、誰にでも居るよなそんな友達。
で、屋上へのドアを開けると、マサキは既にそこで待っていた。
10月後半の秋風が吹き抜けて…。
少し肌寒かった。
オレは近づきながらマサキに問いただす。
「何だよマサキ。
話しがあるって、こんな所に呼び出して…。
人に聞かれちゃマズい話しか?。」
マサキは昼休みの時と同じで、何か思い詰めたような顔でオレに振り向く。
見た感じ、今にも倒れそうな自殺でもしそうな…。
この世の不幸を見たような顔だ。
ただならぬ雰囲気。
思わず息を呑む。
「け…ケイ…。
落ち着いて聞いて欲しいんだ…。」
十数秒程の沈黙の後、マサキが口を開きだした。その声は震えている。
「僕…赤ちゃん…。
出来たみたいなんだ…。」
「えっ!?。」
絶対に童貞だと思っていたマサキが、まさかの告発。
最初のコメントを投稿しよう!