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オレは目を見開き驚いた。
驚きはしたが、見た目と違ってって話しは、ままある話しだ…。
オレは一息ため息を吐くと、落ち着いてきたので相談に乗る事にした。
「あ~…。そ…そうなんだ…。
それでどうするんだよマサキ?。
そういうのは、相手の人とちゃんと話しあったのか?。
その……。
産むのか…堕胎させるのか…。」
「それが出来たら苦労しないよ…。
妊娠したのは…。
…ぼ…僕、自身なんだからっ!!。」
「はぁ~~~~っ!?。」
オレは、素っ頓狂な返事をしたが、瞬時に『コレはコイツなりのブラックジョークだな。』と思ったよ。
だってそうだろ?。男が妊娠だなんて…。絶対にありえねーっての…。
マンガのように実はお前女だったのか~っていう超展開なんて絶対無いしな。
マサキのチンチンは、ガキの頃からのプールの着替えや修学旅行で確認済みだ。
オレは、一瞬でも真面目に相談に乗ろうとした自分をバカバカしく感じた。
呆れ顔でため息ついて、そのまま帰ろうと踵を返した。
そしたら…。
「待ってくれケイ!。
僕の言う事を10分だけで良いから聞いてくれ…。
信じられ無いのは分かる。
けど、コレから僕の話す事は、僕の…。
イヤ、僕と君の生き死ににも関わるかもしれない事なんだ。
僕の妊娠についても…。
ちゃんと証拠を見せるから…。」
そうマサキがオレの制服の裾をちょこっと握って言うもんだから…。
その仕草と表情が正直、雨の日に捨てられた子犬みたいで、ちょっと可哀想で可愛いかった。
でも、そう一瞬でも思った自分がなんか恥ずかしくて…。
オレは否定する為に、つい強めに言ったんだ。
「その証拠、見せれるもんなら見せてみろっ!!。」
ってね。
そしたらマサキのヤツ、ズボンのポケットから何やら取り出した。
袋に入れられたスティック状のアレは、ドラマとかで見た事のある例のアレだ…。
「コレ妊娠検査薬。
姉さんがトイレにいつも置いてるヤツを盗ってきた…。
今からコレを使って見せるから…。」
マサキはそう言うと、ズボンのチャックを自ら下げて、妊娠検査薬をオレの目の前で恥じらいながらも使って見せた。
オレはビックリしたよ…。
だが…。
確かにこうでもしないと、試薬をすり替えただのなんだの難癖つけて、オレは信じなかっただろう…。
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