第10章~ひな祭りに~(冬の華編)

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今まで、色々あった‥‥けど、好きな子とするのは………そもそも男の子同士のなんて、本読んだ知識だけで上手くできる保証は無い!仮に入った所で陽菜にケガさせるかもしんないし…‥ケガさせ無かったとしても、汚す事にはなるから………だから、怖い!と教えてくれたユキの自分に触れている手は僅かに震えていて、美しい漆黒の瞳も潤んでいた。 【ユキ…】 だから、余計、好きになってしまうんだと気付く。 【でも、してくれる?】 だから、して欲しい。これまでがどんなモノだったにしろ、これまでに無かった特別な大切な存在として、して欲しい。 【私、きっと怖いんだと思う…‥】 自分だって、同じ男の子を受け入れるにはどんな風にどうするのが良くて上手くいくのか全く分からないからこそ怖いんだと思う。 【でも‥ユキが欲しい!】 もしかしたら、すっかり自分を失くして壊れてしまうかもしれない。けれど、彼になら壊されたって構わないから怖いだけじゃ無いんだという本音を知る。 【だから頂戴!陽菜は‥‥ユキだけの特別な陽菜になってオトナになりたい!それに、オトコとして大切なユキを全部受け入れて、受け止めてあげたい!】 「…‥陽菜…」 きっと、もう少し成長したら、この子は誰よりもカッコいい。女の子よりも良い魅力のあるオトコになる。そして、こんな自分を今と変わらずいつでも温かく受け入れてくれるんだろうなとユキは思う。 「だったら、一つだけ教えて欲しい」 【なっ…なに?】 そんな陽菜に、これまで勝手に求めたくなった時にしようとするばかりで、ちゃんと聞いてあげなかった事を聞いてあげられる余裕が、今の彼のお陰で出来た。
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