第10章~ひな祭りに~(冬の華編)

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「本当に今、ここでされたい?」 【………】 「僕がしたいならじゃ無くて、陽菜がされたい場所とか時間あるなら教えて欲しい。」 【…………】 「今更だけど…その……こういう行為は、お互いの気持ちを尊重してすべき…だった気が…」 健康的な白さの頬を赤らめながら云っている彼に、陽菜の胸は急速に暖められ、口からも心音が響いてしまうんじゃないかというぐらいドキドキしてしまう。 【っ‥とうにもぅ!】 だって、反則も良い所だ!ただでさえ好きで好きでどうしようも無いのに、その上こんな事を云われたら、自分の世界はユキを中心にグルグルグルグル365日24時間回り続けてるんだと天界全国放送の電波に乗せて宣言しても足らないくらい益々好きになって夢中になってしまうじゃないか! 【ユキのばかバカ馬鹿!私のガキっぽい恥ずかしい夢なんか聞かないでよ!】 そのせいで、最初の未遂事件の時から見ている淡い夢を、話してしまっても良いのかな…なんて、期待してしまうじゃないか? せっかく、いつも大変で苦労している彼が少しでもしたい事がしたい時に出来るようにと黙ってきたと云うのに‥‥話してしまったら意味が無いし、何より、やっぱりガキだと思われかねない。 「聞く。だから」 【嫌だ!だって私だけはユキに我慢させない!せめて私といる時だけは好きな事好きなだけいっぱいして貰いたいって思ってるんだから、私の夢なんか聞かないでよ!】 聞かないで…‥何も聞かないで早くしてよ、したいしたいって思ってるくせに!私が怖いって思ってたって無視して早くしたら良いんだよ馬鹿!!と怒鳴って泣き出した陽菜が何よりもユキの瞳には新鮮で神聖なものに映る。
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