第10章~ひな祭りに~(冬の華編)

7/40
前へ
/40ページ
次へ
しかし彼が最後に云ったその言葉はこんな状態まで追い詰められた陽菜を怒らせるだけのものになる。 【~‥やめてよぉォッ!!!】 陽菜は怒りに任せて大音声をあげ自分に腕を回すユキの細くて、長くて、なんというか色っぽい手に爪を立てて引っ掻いたり噛みついたり足をバタつかせて乱暴に蹴りまくった。 【子供やめるって云ってるのに!可愛いやめてよ聞きたくない!!】 最後までしてないのに変になったの気付いたから馬鹿にしてるんでしょ!?こんなガキじゃアソコにいつまでたってもアレ挿れられないって思ってて、でもしょーがないから可愛いなんて云ってるんだ!!!‥だから気にしないでして良いって云ったんだよ!私が何も知らないと思ってるから大間違いなんだ!私…私は……知ってんだよ馬鹿!  と、怒りと一緒に出てくる言葉をそのまま手当たり次第に打つけまくるうち、ついに、ユキから話してくれるまで永遠に気付かないフリをして、胸に閉まったまま聞かないでいてあげようと思っていた事まで声に出してしまった。 【ユキは女のヒトと‥ひとと………っ…‥もぅエッチしてるんでしょ!?】 「っッ……!!?」 ユキは一瞬息を詰まらせ、過去の恐怖や罪悪感に身を強張らせたが、怒りでヒステリーを起こしていた陽菜はこれまで彼の為にと見ざる。云わざる。聞かざるを続けてきた様々な事が次から次へと溢れ出してしまい、怒りのまま怒鳴り、何度も繰り返し手をあげて傷つける言葉を浴びせてしまった。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加