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「あれ…そうだっけ」
珍しいな。大体の生徒は部活に入るのに。
「…はい」
なんだろう。やっぱ変だ。
「なぁ」
早川は呼び掛けに顔を上げた。目が、合う。
「なんか…あった?」
どうしてそんな顔するんだよ。そんな悲しそうな顔。
そして一瞬で空気が、感情が変わる。
「何もありませんよ」
「…っ」
そう言った時の早川の顔は、なぜか作り込まれたかのような笑顔で酷く安定していた。
「…そっか」
"深い感情移入はしてはならない"
最小限の言葉をかけて俺は早川から離れた。
一瞬、見失いそうになった
“教師の立場”
気付いた時には離れることを優先的に選んでいた。
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