なんでもない現代の日常

2/42
167人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
★高校1年 春の終わり★ 某有名女子大学付属の 高等部へ通う女子高生の中に 周りの子達より 少しスカートが長い子が一人… 散った桜の絨毯と スカートを巻き上げる春一番に 舌打ちをしながら 教室へ向かう… 小学生から エスカレーターに乗っていれば お淑やかな女子大生が出来上がる …よくある女子校の校内で… 綺麗に清掃された廊下を歩き 自分の教室のドアを開ける 女子の後ろ姿 女子がガラリとドアを開けると 一瞬クラスメイトの会話が止まる 誰も私と目を合わせようとはしないのは何時もの事だ …………………………… 教室に入った乙女は眼鏡とポニーテールが良く似合う少し背が高いだけの普通の女子高生 …まぁ、少し目付きは…悪いが… 静かになった教室を横切り 窓際の一番後ろの席に鞄を掛ける 小鳩 紬希(コバト ツムギ) 彼女が通称ボッチ席に座る理由は色々とあるのだが… ツムギは、慣れた手つきで体育ジャージを席の後ろの棚から取り出し枕にすると、ざわめきを取り戻したクラスメイト達を眺めながら、何時もの様に物思いにふける… 何故に女子はスカートを 履かなければいけないのだろうか? 桜よりも春色の布を覗かせて友達と話すクラスメイト… どう考えても、淫行を助長する服装だろ?その癖、不純異性行為は禁止?矛盾してる。 皆、ジャージで良いだろ…ジャージで。 ……ほらほら、中身が見えちゃってるし 歩くH本共に冷めた目線を向けながら今日も折り畳んだジャージ枕に踞り心地好い眠りを貪り始める Zzzzz 夢と現実をさまよっていると、パタパタと軽快な足音と耳障りな雑音が聞こえてきた。 「何で置いてっちゃうかなぁ?危うく遅刻だよ♪ツムたん聞いてる?……また、そうやって机に突っ伏して寝るから胸が凹むんだよ♪」 ………佐藤 美春(サトウ ミハル) 大財閥のお嬢様だか知らないが スカート短め 脳ミソ軽め 身長小さめ 胸はデカめの茶髪でショートボブ まぁ、俗に言うビッチビチの女子高生である エスカレーター方式の女子校なのに 珍しく高校から編入してきて たまたま座席が前だっただけの存在な彼女 他のクラスメイトは中学生の頃の 私を知っている為 誰も近寄っては来ないのだが… 何故かこの子は私から発せられる近寄るなオーラをものともせずに 毎日私の前の席で雑音を撒き散らしている 「うっ……また、そうやって睨むんだから。朝はニッコリ笑ってオハヨーでしょ♪」 「どっか行け」の視線を受け流しながら 昨日見たテレビの話題を話し出すミハル 「昨日のニュース見たぁ?アイドルグループのメンバーが失踪事件!ライブ中に突然いなくなったらしいよ。舞台が暗転して…聞いてる?ツムタ~ン♪」 毎日、毎日、賑やかだな… まぁ、いつもの子守唄だし…いいけど Zzzzz… そこのお前…胸の事に触れたら殴るからな……
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!