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★高校1年 春の終わり★
某有名女子大学付属の
高等部へ通う女子高生の中に
周りの子達より
少しスカートが長い子が一人…
散った桜の絨毯と
スカートを巻き上げる春一番に
舌打ちをしながら
教室へ向かう…
小学生から
エスカレーターに乗っていれば
お淑やかな女子大生が出来上がる
…よくある女子校の校内で…
綺麗に清掃された廊下を歩き
自分の教室のドアを開ける
女子の後ろ姿
女子がガラリとドアを開けると
一瞬クラスメイトの会話が止まる
誰も私と目を合わせようとはしないのは何時もの事だ
……………………………
教室に入った乙女は眼鏡とポニーテールが良く似合う少し背が高いだけの普通の女子高生
…まぁ、少し目付きは…悪いが…
静かになった教室を横切り
窓際の一番後ろの席に鞄を掛ける
小鳩 紬希(コバト ツムギ)
彼女が通称ボッチ席に座る理由は色々とあるのだが…
ツムギは、慣れた手つきで体育ジャージを席の後ろの棚から取り出し枕にすると、ざわめきを取り戻したクラスメイト達を眺めながら、何時もの様に物思いにふける…
何故に女子はスカートを
履かなければいけないのだろうか?
桜よりも春色の布を覗かせて友達と話すクラスメイト…
どう考えても、淫行を助長する服装だろ?その癖、不純異性行為は禁止?矛盾してる。
皆、ジャージで良いだろ…ジャージで。
……ほらほら、中身が見えちゃってるし
歩くH本共に冷めた目線を向けながら今日も折り畳んだジャージ枕に踞り心地好い眠りを貪り始める
Zzzzz
夢と現実をさまよっていると、パタパタと軽快な足音と耳障りな雑音が聞こえてきた。
「何で置いてっちゃうかなぁ?危うく遅刻だよ♪ツムたん聞いてる?……また、そうやって机に突っ伏して寝るから胸が凹むんだよ♪」
………佐藤 美春(サトウ ミハル)
大財閥のお嬢様だか知らないが
スカート短め
脳ミソ軽め
身長小さめ
胸はデカめの茶髪でショートボブ
まぁ、俗に言うビッチビチの女子高生である
エスカレーター方式の女子校なのに
珍しく高校から編入してきて
たまたま座席が前だっただけの存在な彼女
他のクラスメイトは中学生の頃の
私を知っている為
誰も近寄っては来ないのだが…
何故かこの子は私から発せられる近寄るなオーラをものともせずに
毎日私の前の席で雑音を撒き散らしている
「うっ……また、そうやって睨むんだから。朝はニッコリ笑ってオハヨーでしょ♪」
「どっか行け」の視線を受け流しながら
昨日見たテレビの話題を話し出すミハル
「昨日のニュース見たぁ?アイドルグループのメンバーが失踪事件!ライブ中に突然いなくなったらしいよ。舞台が暗転して…聞いてる?ツムタ~ン♪」
毎日、毎日、賑やかだな…
まぁ、いつもの子守唄だし…いいけど
Zzzzz…
そこのお前…胸の事に触れたら殴るからな……
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